SNSについて。

昨日のゼミも面白い発表でした。


一人は、mixiなどの「SNS」をテーマにして、
卒論のテーマにしようとするものでした。



この発表に対して、
他の学生さんからの意見で、
SNSについて
1)「対面ではなく、パソコン画面でコミュニケーションするものだから嫌だ」
2)「いろいろな危険性をもっているから、ダメだ」
というものがありました。



そのときにも言いましたが、
私からのコメントは以下の通りです。



まず1)の意見についてです。
「対面コミュニケーション」と「SNSによるコミュニケーション」、
多くの人は、そのどちらも行うということです。
人びとは、その両者を駆使しながら、
当然、コミュニケーションを行っているのです。
だから対面 vs パソコン画面、
こうした問題設定では、SNSは考察できません。
対面 vs パソコン画面、
こうした理論的フレーム(枠組)では、
何も見えてきません。
すべて対面で会ってコミュニケーションすれば良い
という意見もありましたが、
そんな世界に私たちは帰れません。
そうした世界はフィクション、おとぎ話に過ぎません。
クルマなどの機械に頼らず歩こう、
くらいのフィクションです。
あとSNS、HP(ホームページ)、2ちゃんねる、ブログ、
これらを一緒にした議論がありましたが、
それはあまりにも、粗っぽい議論です。
一つ一つの文化的意味をもっとよく考える必要があるはずです。




次に2)の意見についてです。
「いろいろな危険性をもっている」
ということですが、それはその通りでしょう。
プライバシーの問題、
監視社会化との関連、
荒らしの問題、
・・・・・
SNSも、いろいろあるでしょうね。
これらはすべて、
重要な問題です。
SNSがこれらの問題をクリアできているとは
到底、思えません。
しかし、だからと言って、「ダメ」ということにはなりません。
「問題がある」ということは、
「ダメである」ことにダイレクトに必ずしもつながりません。
(もちろん、ダイレクトにつながる場合もあります)
この場合、「SNSがいくつか問題をもっているからダメ」
と言ってしまうことは
ちょっと厳しい言い方かもしれませんが、
「精神的な若さ」がないように思うのです。
私たちは、もっと、どんどんチャレンジして、
様々な試行錯誤を社会的にも個人的にも積み重ねて、
成熟していくべきでしょう。
このあたり私は単純なのかもしれません。
できるなら「まずはやってみよう!」という感じです。
その場に自分を関わらせてみないと、
考えは上滑りするような気がするのです。
(もちろん、どうしてもできないこと、
してはならないこととかあるから、
それは仕方ないけれど)



また、上で書いていませんが、
SNSには、もっと多くの考えるべきことがありますね。
しかし、すごく興味深い現象であることは確かです。


とても面白い発表と、質疑応答でした。


他に発表してくれた人も、とても面白そうでした。
一人は「マンガの社会性」
もう一人は「資本とファンの間でゆれる欧州サッカー」
といったテーマでした。
これもぜひ卒論、進めてください。