師匠、おそるべし。

学部、大学院と教えて頂いた、
師匠のご自宅へお年始です。



いまだに師匠の前に行くと、
びびります。
怖いです。
今でも師匠のご自宅まで呼び出しをくらい、
「遠藤くん。きみは何をやっているの!」
「そんなことくらい、あたりまえじゃないの!」
「なぜ、君はそうしたことを考えないの!」

と怒られまくった夢を見ます。
師匠はまさに、カミナリ親父のように怒ると無茶苦茶怖いですよ。
汗びっしょりになって、「ああ、夢かあ」と起きるときがあります。



その一方で、師匠の奥様には、
いつもかばって頂きました。
師匠に怒られている私をみかねて、
「そろそろお茶でもどうですか」
「もういいんじゃないの?」

とかばって頂いたことが昨日のようです。



そんな今でも怖い師匠ですが、
以前、私が学生さんを怒ったことを嘆いていると、
「学生さんを怒っちゃダメですよ。遠藤くん」
と諭されました。


あんたに言われたないわ


と思いつつ、「はい」と答えておきました。


また師匠は研究でもパワフルです。
80才を超えられた今でも、
刺激的なご研究を続けられています。
今日も私が拙著を差し上げたら、
「遠藤くんに負けないように、私も本を出します」
と原稿を見せてこられました。


本を出すって...。
何冊書いたら気が済むの?
もう勝手に出しいや。
私に負けないようにって...。
そんなこわいこと言うて。
ああ、おそろしい...



今日も先生の夢を見そうです。



しかし怖い人がいることは幸せです。
怒られるかもしれないと畏れる相手は、
年齢ととともに少なくなります。
実は、それは大変寂しいことですし、
自分で傲慢を律していかなくてはならず、
厳しいことでもあります。
若い頃はそのことが分からず、
ただ怒られるのが嫌でたまりませんでしたが、
40才を超えて、そのことがよく分かるようになりました。