hospitality for hostility。

hospitality for hostility



観光などを考えるうえで、
ホスピタリティ概念をどのように展開していくべきなのか。
その概念の可能性といかがわしさについて模索しているときに
思いついた言葉です。
もし訳すとすれば、「憎悪には歓待を」となると思います
(「for」という前置詞は、
「〜のため」「〜に向けた」以外にも、
「〜の代わりとして」「〜に交換して」という意味があります)。



hospitalityとhostilityには、
語源的には共通したものがあります。
どちらも「host」から
「異人(まれびと)」「客人」「敵人」を語源に含んでいます。



hospitalityとhostilityは共通しているものがあり、
私たちすべてがこの両方の精神を持ち合わせているということをふまえながら、
みずからの「憎悪」の精神は、みずからの「歓待」の精神へと換え(for)、
他者からの「憎悪」に対しては、みずからの「歓待」で饗応する(for)。
しかし、いつ何時、hospitalityがhostilityの方向へ向かう(for)かもしれない。
根っこが同じ、hospitalityとhostilityを
二重の価値を有する「for」でつないでいる弱さを
私たちはつねに抱え込んでいる。
このぎりぎりのところで、それでもやはり
「hospitalityを!」と声をあげる。



それを形成する社会的装置として
「観光」があり得るのではないかと思っています。




歓待について―パリのゼミナールの記録

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友愛のポリティックス I

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