hospitality for hostility。
hospitality for hostility
観光などを考えるうえで、
ホスピタリティ概念をどのように展開していくべきなのか。
その概念の可能性といかがわしさについて模索しているときに
思いついた言葉です。
もし訳すとすれば、「憎悪には歓待を」となると思います
(「for」という前置詞は、
「〜のため」「〜に向けた」以外にも、
「〜の代わりとして」「〜に交換して」という意味があります)。
hospitalityとhostilityには、
語源的には共通したものがあります。
どちらも「host」から
「異人(まれびと)」「客人」「敵人」を語源に含んでいます。
hospitalityとhostilityは共通しているものがあり、
私たちすべてがこの両方の精神を持ち合わせているということをふまえながら、
みずからの「憎悪」の精神は、みずからの「歓待」の精神へと換え(for)、
他者からの「憎悪」に対しては、みずからの「歓待」で饗応する(for)。
しかし、いつ何時、hospitalityがhostilityの方向へ向かう(for)かもしれない。
根っこが同じ、hospitalityとhostilityを
二重の価値を有する「for」でつないでいる弱さを
私たちはつねに抱え込んでいる。
このぎりぎりのところで、それでもやはり
「hospitalityを!」と声をあげる。
それを形成する社会的装置として
「観光」があり得るのではないかと思っています。
- 作者: ジャックデリダ,Jacques Derrida,広瀬浩司
- 出版社/メーカー: 産業図書
- 発売日: 1999/12
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 36回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
- 作者: ジャックデリダ,鵜飼哲,大西雅一郎
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2003/02/21
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 17回
- この商品を含むブログ (26件) を見る
- 作者: ジャックデリダ,鵜飼哲,大西雅一郎
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2003/02/21
- メディア: 単行本
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
- 作者: アレクサンダー・ガルシア・デュットマン,Alexander Garc´ia D¨uttmann,大竹弘二,清水一浩
- 出版社/メーカー: 月曜社
- 発売日: 2002/06/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
- 作者: 鷲田清一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/09/10
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (6件) を見る