胸にやどる、ほのかな暖かな光を。
自分の胸にやどる、ほのかな暖かな光を
手ですくいとるようにして奥さんに渡すと、
自分の手から光がなくなるのではなく、
逆に手の中に新たな光が知らぬ間にともっている。
渡された奥さんだけではなく、
渡した自分も何かを渡されて、また暖かくなる。
渡すことによって渡される。
渡されることによって渡す。
うーむ、不思議だ。
20代の頃の自分自身にはなかった考え方だ。
渡すこと⇔渡されること
人と人のあいだには、メルロ=ポンティ的な
「可逆性:リバーシブル性(reversibility)」が
満ち溢れているのかもしれません。
- 作者: 鷲田清一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/07/11
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