卒業するゼミ生に贈る言葉。

卒業式には、照れて、
言いたいことの半分も
口にできないので、
ちょっと、この場を借りてゼミの卒業生に...。



あなたたちに最終的に伝えたいことは、たった一つ。



幸せになることを決して
あきらめない強さを持つこと。



ただ、これだけです。



社会学者の名前なんか忘れても構わない。
観光社会学で勉強したこと、忘れても大丈夫。
社会調査の方法、そんなものはまた必要になったら勉強し直しなさい。
(大学院志望のそこのあなた、あなたはちがうよ)



でも、たった一つ。
「幸せでいることを決してあきらめない強さを持って」
という私のメッセージだけは覚えていてね。



「くっそ〜!!!」と思い、
なんで私が、なんでオレがと思うことがあっても、
黙ってアタマを下げなさい。
それが、
自分の仲間のためなら、
自分の家族のためなら、
そして自分自身のためならね。



だからと言って、
長いものに巻かれろと言っているのではないよ。
怒る必要があるときには、
怒りをあらわにして、怒りなさい。
でも、自暴自棄になって怒ってはいけません。
「もうどうなっても!!!」と思うときには、
怒ってはいけません。
あなたは、どうなっても良い人ではないのだから。
あなたは大切な教え子で、大切な人間なのだから。
怒るときには、
ただ幸せになるためにだけ怒りなさい。



泣くときもそうだよ。
たとえ悲しいときでも、
いつか幸せになるために泣きなさい。



いつアタマをさげるべきか、
いつ怒るべきか、
そうしたことに答えはありません。


時には間違いながらでも構わない。
自分の置かれている状況を見すえて、
そのときに自分が何をするべきかをしっかり考えなさい。
悲しさにおそわれたときにも、
いつか、それを包みこんで、
自分の大切なものに変えていけるような強さを持って。


ただ、まっすぐ光の射す方向から
目をそらさずに進むことを
決してあきらめない。
そんな強さが本当の「教養」です。
大学で、そんな教養を身につけてもらいたいと、
あなたたちに思っていました。


そのために、いろんな形でゼミの中で学んできました。
ときにはアイスブレイキングの形で。
ときには難しめの本を講読する形で。
ときにはゼミ合宿という形で。
ときにはしゃべり場という形で。



これからも、
必ず幸せでいて下さい。



それが大学時代のあなたたちに送る、
最後のメッセージです。



まあ、卒業式当日も、
同じようなこと言うけどね。