ドラゴンボール組織論。

明日は誕生日です。
誕生日が来ると、44才になります。
4と4を合わせて、「しあわせ」です
(と母親が44才になったとき言っていました。
「なかなか、やるな」と思っていたので使わせてもらいました)。


この年になると、いろいろと考えることが出てきます。
そのひとつに、観光社会学をもっと広げるということがあります。



観光社会学、あるいは
社会学だけではなく、
観光人類学、観光地理学、観光経済学といった
観光研究をもっと学問的に深めていくためにも、
観光研究を質的に良い方向で広げていく必要があります。


そのための方法として、これまでは、
学会を組織化するというものがありました。
研究者同士のネットワークを強固なものとし、
大学院生を組織化し、学会という組織をつくり、
その組織としての力を借りながら、学会誌をつくり、
質を高めていくというものです。



私の知っている先生は、
20年くらい前にちょうど今の私くらいの年齢のときに、
これをなさいました。
そのおかげで、いま、その領域は、
社会学の中で一定の地位を築いています。


しかし、それをするためには、
ある部分で研究者としてというよりも、
学問的世界における政治家として、
振舞っていかなくてはならなくなります。
そうすることで、この領域の研究者が
しっかりと学界内で認められ、
大学院生の就職も確保できるようになるのです。
その先生は、きっと私くらいの年齢のときに、
覚悟を決められて、
この道を進み始められたのでしょう。
その意味で私は、それはそれで一定の見識だと思います。



しかし、人はそれぞれ色合いを持っています。
たぶん私は、そういうタイプではないのだと思います。
学界の政治家として親分肌的に振舞うなんて、
かなりしんどい気がするわけです。
かと言って、たった一人でも歴史に残る業績を積みあげていくことが
できるような天才肌でもありません。
歴史学で言えば網野善彦さんなどは、こうした天才肌ではないでしょうか。



私は、このタイプでもありません。
では、学会もたちあげずに、
観光研究をもっと学問的に深め、
観光研究を質的に良い方向で広げていくには、
どうしたら良いのか。



私のタイプ、私の色合いとしては、
ドラゴンボール組織論とも言うべきものを
採る方向性があるように思います。


DRAGON BALL 1 (ジャンプコミックス)

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悟空は最初それほど大した格闘家ではありません。
しかし仲間との研鑽や、仲間とともに新たな舞台を求める中で、
自分も仲間も次第に鍛えられ、「おめえ、すげえなあ」と感動しながら、
より大きな舞台をつくりあげ、
また新たな方向性を見いだしていきます。


学会という強い求心力のある組織ではなく、
上下のない緩やかで自由なネットワークの中で、
一人一人が悟空となって「おめえ、すげえなあ」と感動しながら、
切磋琢磨していく。
そうした中で鍛えられる研究をもって、
観光研究を深め広げていく。



こうしたことが、やはり
私の色合いのような気がします。
そのためには研究ジャーナルみたいなものが
あっても良いようには思います。