コンタクト・ゾーンとしての大学。

大学の新しいかたちとして、
私が最近考えているのは、


コンタクト・ゾーンとしての大学


です。


ウニベルシタスの古いかたちのままではなく、
また“単なる”教育「産業」の一領域としてでもなく、
複数の文化が接触する領域、
すなわちコンタクト・ゾーンとしての大学、
これが、新しい大学のかたちのひとつに
なっていくのではないでしょうか?


大学は多様な学問領域が出会う場であり、
多様な世代、多様な性が出会う場であり、
アジア、太平洋・オセアニア地域、
欧米圏、アフリカ、南米等の研究者・学生が出会う場であり、
研究の専門家とそうでない人びとが出会う場であるのではないでしょうか?


大学とは、まさに複数文化が交差し、
交通(コミュニケート)し合う
接触域(コンタクト・ゾーン)となり得る。
そうした大学を実現していくことが、
大学のこれからのかたちとなっていくように思っています。


私たちはまさに“知の「旅人」”として、
ふと大学という広場に立ち寄り、そこで出会い、
そこを旅先(アウェイ)の中のホームとして、
かけがえのない一瞬を共有し合うのです。


実体としての共同体(ウニベルシタス)ではなく、
交通(コミュニケーション)としての共同体(コンタクト・ゾーン)です。
“かけがえのない”他者たちとの
“唯一無二”のコミュニケーション、
その重層化、かさね織りを
うまくベースにしていければと思っています。