人の話をじっと静かに聴く寛(ひろ)やかさ。

時代や社会の在り方を感じることができるからか、
私はビジネス書が面白くて、
本屋さんに行くと、
よく立ち読みしますが、
最近、リーダーとして人をどう引っ張るべきとか、
いまの時代、こう考えるべきとか、
自分の考えを実現する強さとか、
そうしたことを滔々と書いているビジネス書はよく見ますが、



人の話をじっと静かに聴く、
躊躇いながらも人を待つ、
そういうときに必要な
寛(ひろ)やかさとか、
人に対する優しさとか、

そうしたことに心を少しでも傾けているビジネス書はあまり見ません。



新聞読んでも、同じように感じます。



「てきぱき」「さっさと」に価値が置かれていて、
「ぐずぐず」「もたもた」に価値が置かれていないのは
どうしてなのでしょう?
でも「ぐずぐず」って、実は、
すごく大事なことじゃないの?
「ぐずぐず」でいいやん。
もっと、ちゃんと「ぐずぐず」しようよ。
人に優しい「ぐずぐず」って大事ですよ。



多分、このあたりに、
現在の社会における
大きな問題点があるように感じます。



でも実は、他者が他者と生きていくために、
これからの社会でよく考えていく必要があるのは、
「てきぱき」したactiveな精神ではなく、
人を受け入れる、寛容でpassiveな精神をもって「ぐずぐず」と、
でも格好悪くても「精一杯に(activeに)」行動できる
そんな「大人」の在り方なのかもしれません。