学問が「役に立つ」ということについて。

学問が「役に立つ」というのは、
どういうことを指しているのか。



ひつこいようですが、もうちょっと立ち止まって、
よく考えるような社会的なコンテクストを
形成していくことがとても大事だと思うのです。



たとえば、すぐには「現場で役に立たない」と思われることでも、
「ああ、そういう考え方が抜け落ちていたなあ」と思わせることも
学問の役割のひとつだと思うのです。
だとすれば、「役に立たない​」ことによって、
「役に立つ」こともあると思うのです。



また「役に立つ」ということばかりに
目がいきがちのときに陥る落とし穴に気づくために、
「役に立つ/役に立たない」の二項対立図式で
考えていることの限界を見えるようにすることも、
学問の役割のひとつだと思うのです。



そのときには、「役に立つ/役に立たない」という図式自体が
「役に立たない」ということを示すことによって
「役に立つ」ということもあると思うのです。



あまりにも最近、
社会的に「役に立つ/役に立たない」を
簡単に口にし過ぎてはいないでしょうか?