定義について。
「定義する」ということは、
ある社会、ある時代、ある制度における
学問上の手続きにすぎない。
だから
「定義する」ということは、
社会性・歴史性・制度性を帯びた行為であるはずなのです。
だから
定義しない学問だって、
ちゃんとあるはずなのですよ。
「定義する」ことの
社会性・歴史性・制度性を指摘したら
「君は学問の歩みをバカにするのか!」って
怒る人がいるけれど、
「バカになんかしてへんよ」とため息でます。
人や、人が大切にしていることをバカにしたら、
自分自身が情けなくなるだけだからね。
でも、本当に学問に敬意を払うなら、
これまでの学問的成果に対し、
もうちょっと真剣に、誠実に、真摯に
挑戦するべきだと思うよ。
「定義する」ことは、ある時代、ある社会において、
学問上の議論がすれ違わないために行われた
「意味を一定のものにしばる」手続きだ。
でも、それが僕たち自身のスピリット(精神)をしばるのなら、
そんな手続きはやめるべきなのだ。
哲学者ミシェル・セールだって言ってますよ。
定義してはいけない!
『DJカルチャー』p.17
その上で彼はこう言うのです。
さあ、前進しよう。腕を思い切り伸ばそう。もっと、もっと。確信しよう。・・・・書くときは、批判なんか止めにしよう。ただ理論を方法論を駆使しよう。あらゆる知的欲望だけを解放しよう。
『DJカルチャー』p.17
良い言葉だなと思います。
- 作者: ウルフポーシャルト,Ulf Poschardt,原克
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