ちょっと、うっとうしかったこと。

昨日、二次会で飲んだときに、
ちょっと、うっとうしいことがありました。



私たちが飲んでいる後ろで、
ある先生が「このままだと若手の教員たちの研究がダメになる!」と
声をはりあげておられた。


黙って聞いてたけどね、
あの...。
若手って、私たちのこと?



あの...。
40才、超えているんですけど...。
超えてても構わないの?



それでもいいなら、
私はいいんだけど。
ちょっと一般社会からすると
おかしいのではないかしら?
永田町ではあるまいし。



大体、研究者に、
若手とか中堅とかベテランもねぇんだよ!
現在の研究がすべてだと思うよ。
(ご年配の先生でも過去に優れた業績を残されている方ほど、
現在でもしっかり、研究を展開されているものです。)




お酒飲んでいるときに、
学問の話をする。
それは学者なんだから当然だろう。
けっこう何を言っているか分からない状況になりながら、
何か情熱を傾けて研究のことを語っている人、
そんな人は大好きだけれど、
でもね、
それは、単に一人の研究者として対等の立場において、
交わされる議論であるべきです。
研究者として対等の立場で交わされる議論において、
ぞくぞくするようなロジックや、
わくわくするような内容が、
話される。
これは研究者の醍醐味で、
大学はこうしたことがなくなったらマズイですよ。確かに。



でも「あんたたち若手は」とか「そんなことじゃダメだよ」とか、
そんな風な言い方は、研究を牽引する言い方ではないだろう。
私は言われてはいなかったが、
私と同年齢の他の先生に対して
「そんなこと言っているようじゃ、ダメだ!」って、
「じゃあ、あなたはどうなの?」って実は思いました。


もし本当に真剣に、
大学の研究の将来を心配するなら、
「あんたたち若手は」とか「そんなことじゃダメだよ」とか言うのではなく、
黙って、あなた自身の背中を見せな!
ヴェーバーの「職業としての学問」を読んでよ。)



職業としての学問 (岩波文庫)

職業としての学問 (岩波文庫)



ぞくぞくするような、あなたのオリジナルのロジック、
わくわくするような、あなたのオリジナルの内容、
それを私に見せつけてくださいね。
そしたら、私は本当に素直に、
「すげえ」と思うタイプです。
かなり単純ですから。



安村先生、西田先生、堀野先生をはじめ、
私が同僚として尊敬し、
「すごい」と思っている先生方はすべて、
飲みにいったとき、
こうしたオリジナリティを感じさせてくれます。



そこまででなくても、
何か知らないけど、
その人の情熱を感じるとか、
そういうのでない限り、
飲みながら議論をしていることにはならないですよ。
それは、
学問の名を借りて、
同僚を酒の肴にしているだけではないかな?


大事なのは、
どちらが上でも下でもない、
相互的で
対等なやりとり、

この一点につきるな。
人の批評しているだけでなく、
自分自身の研究も言わなくっちゃあ、ね。




私は飲みながら議論を交わしたいと切に思いますが、
酒の肴にされるのは、
ゴメンだな。