共に在る人。

中学生のころ、成績表に、


「まったく落ち着きがない。新学期は頑張りましょう。
ただし誰に対しても分け隔てなく接するのは、とても良いでしょう。
性格がとても明るいので、まわりの友だちも楽しいようです。
でも落ち着いてね。」



みたいなことを毎学期、書かれていました。



分け隔てをしないのが確かに私の唯一のとりえだと
今でも自分自身は思っていますが、
もし、子どもの頃の私の性格に
そうした良いところが他人から見てもあったのなら、
それは私の努力ではまったくなく、
親が本当に私を愛してくれたからでしょう。
たくさん抱きしめ、慈しんでくれたからだと思います。



そして年齢を重ねるたびに、
先生を悩ませた落ち着きのなさも影をひそめ、
他のところだけが蒸留されてきたように思います。
もし、それが実際に良い方向に向かっているとするなら、
それもやはり私の力ではなく、
共に歩んでくれる奥さんのおかげだと思います。



人は自分だけで生きることはできません。
共に在る人によって、人はつくられている気が最近よくします。



いじめの問題でも、そうしたことを決して忘れないでほしいと思うのです。
生命は、その人だけのものではありません。
その人を愛する人びと全員にとって、かけがえのないものです。



あなたは、単にあなたという個の存在なのではなく、
あなたと共に在る人びとの交響した存在なのです。
だからこそ共に在る人にとって、
あなたがいることは本当に大切で、
共に在る人が生きていくためにはなくてはならないことで、
共に在る人が傾けた愛そのものなのです。