「strangeness(異邦性)」の感覚。

研究者にとって、ある種の見慣れた状況であっても、
「あたりまえ」と当然視することなく、
徹底して考え抜くことが重要だと思っています。


その意味で「strangeness(異邦性)」の感覚は、とても大事です。


そういう文脈で、研究者が、
様ざまな状況にたとえアンガージュしていたとしても、
「みずからが周辺(fringe)であること」を保ち続けるのは、
誇りになりこそすれ、ネガティブなことではないと思っています。


そして、「strangeness(異邦性)」の感覚があると、
どうしてもディシプリン(学問領域)の
「間(はざま:between-ness)」を
揺蕩(たゆた)い、旅することになります。


そういう感覚をもつことができれば、
そういう者は、どうしても
哲学、地理学、社会学、人類学、
民俗学歴史学、経済学、経営学などを
あまり意識することなく、
ディシプリンの「間(はざま:between-ness)」を
歩くことになります(それを融合と言えば、言えるのかもしれません)。


そういう点で、観光研究は、
まさにうってつけだと思うのです
(観光自体、まさに越境するものであり、
観光研究は越境について、
越境する学問が問うているようなものだから)。



ご恵与頂いた本。